2017年6月30日金曜日

7月 かがやけ (学校だより)



  自立は依存によって裏づけられている 


いつぞや、こんなことがあった。幼稚園の子どもで言葉がよく話せないということで、母親がその子を連れて相談に来られた。なぜか特に変わったところはないのに言葉が極端におくれている。よく話を聞いてみると、その母親は、子どもを「自立」させることが大切だと思い、できる限り自分から離すようにして子どもを育てたとのことである。夜寝るときもできるだけ添い寝をしないようにして、一人で寝かせるようにすると、はじめのうちは泣いていたが、だんだん泣かなくなり、一人でさっと寝にゆくようになったので、親戚の人たちからも感心されていた、というのである。


このようなとき、その子の「自立」は見せかけだけのものである。親の強さに押されて、辛抱して一人で行動しているだけで、それは本来的な自立ではなく、そのために言葉の障がいなどが生じてきている。このときは、そのことをよく説明して、母親が子どもの接近を許すと、今までの分を取り返すほどに甘えてきて、それを経過するなかで、言葉も急激に進歩して、普通の子どもたちに追いついてきたのである。


自立ということを依存と反対である、と単純に考え、依存をなくしていくことによって自立を達成しようとするのは、間違ったやり方である。自立は十分な依存の裏打ちがあってこそ、そこから生まれでてくるものである。  



子どもを甘やかすと、自立しなくなる、と思う人がある。確かに、子どもを甘やかすうちに、親の方がそこから離れられないと、子どもの自立を妨げることになる。このようなときは、実は親の自立ができていないので、甘えること、甘やかすことに対する免疫が十分にできていないのである。

 
親が自立的であり、子どもに依存を許すと、子どもはそれを十分に味わった後は、勝手に自立してくれるのである。

 
自立と言っても、それは依存のないことを意味しない。そもそも人間は誰かに依存せずに生きてゆくことなどできないのだ。自立ということは、依存を排除することではなく、必要な依存を受けいれ、自分がどれほど依存しているかを自覚し、感謝していることではなかろうか。依存を排して自立を急ぐ人は、自立ではなく孤立になってしまう。

 
このあたりのことがまだあまりわからなかった頃、私はヨーロッパに行き、ヨーロッパの人たちは日本人より自立的だから、親子の関係などは、日本よりははるかに薄いのだろう、などと勝手なことを考えていた。ところが、実際にスイスに行ってみると、親子が離れて暮らしている場合、電話で話し合ったり、贈り物をしたり、あるいは、時に会食したりする機会が日本人より、はるかに多いことに気づいて不思議に思ったことがある。これをよく観察して思ったことは、彼らは自立しているからこそ、よくつき合っているのだ、ということであった。つまり、つき合いの機会を多くすることによって、自立を破壊されるというおそれを感じていないのである。


これが、日本の場合であれば、うっかり親と話をすると、何か自分の自立をおびやかされそうに感じる。あるいは、自分は自立しているから、別に親と会ったり、話し合ったりする必要がない、と考える。このような傾向が強くなるのではなかろうか。しかし、それはよく考えてみると、自立ではなく孤立になっているように思われる。確かに、親子の関係がベタベタとしていて、自立ができていないな、と感じさせられる場合もある。このようなときは、依存を裏打ちとしての自立というより、依存のなかに両者ともに溺れこんでいる、という感じがする。

 
このようなことを考えていたら、心理学の世界でも、自立と依存とを対立するものとしてはとらえずに、むしろ、必要な依存が自立を助ける、というような観点からの研究が増えてきて、わが意を得たりと思っている。







平成29年度7月行事・下校時刻予定
和泉市立横山小学校
  学校行事1年2年3年4年5年6年
1   
2  
3委員会、結核精密検査(AM)13:4014:45
4たてわり給食④15:40
5 14:4515:40
6SC③14:4515:4014:4515:40
7七夕集会14:4515:40
8   
9       
10クラブ13:4014:45
11読ボ2,いずみあいさつ運動15:40
12 14:4515:40
13個人懇談会1(短縮4時間・給食あり)12:50
14個人懇談会2(短縮4時間・給食あり)12:50
15   
16       
17海の日      
18 15:40
19給食最終、大掃除、全学年5時間授業14:45
20終業式(短縮3時間授業、11:15下校)11:15
21 
 
22  
23       
24夏休み水泳教室開始水泳教室1 9:00~12:20
25 水泳教室2 9:00~12:20
26 水泳教室3 9:00~12:20
27 水泳教室4 9:00~12:20
28 水泳教室5 9:00~12:20
29  
30ふれあいプール(9:00~11:30)      
31職員研修のため水泳教室はなし 
※学校、学年行事等の関係で下校時刻が多少前後することがあります。
※原則、放課後の個別指導はしませんが、やむを得ず実施する場合は、事前に家庭に連絡します。
☆朝の登校は、8:00~8:25とします。極端に早い登校は避けてください。
☆諸事情で「遅刻」や「早退」をする場合は、原則保護者が教室まで付き添い、送迎してください。
 体調が悪い場合は、保健室または職員室まで迎えに来てください。
☆来校時は保護者用名札を必ず着用してください。
◎都合のつく範囲で児童の下校時刻に合わせて地域を見守っていただけたら幸いです。