2019年2月28日木曜日

学校通信『かがやけ』3月号

~お口の中をきれいに~

横山小学校では、子どもたちに給食後の歯磨きを勧めています。強制ではなく、自主的に歯磨きを行う子どもたちが増えていけばいいなぁ~と思っています。
そこで、お口の中が不衛生であればどのような不都合なことが起こるのか調べてみましたのでご参照ください。
口の中は食べ物の入り口であると同時に、息をするための入り口でもあります。そして、口の中は体温で守られており唾液という水分もあります。ですから、ばい菌にとってはとても生きやすい場所で、手入れを怠るとすぐにばい菌の数は増えてしまいます。
歯垢(ばい菌のかたまり)1グラム当たり、ばい菌が約1,000億個おり、種類は約500種と言われています。このばい菌、血管の中に入り込んでいろいろな病気に関係したり、ばい菌が出す毒素が血液に混ざって体中を回り、新たに病気を引き起こすようなことが起こります。
そこで、最近では、いろんながんの手術や治療についても事前に口腔ケアをしっかりすることによって、入院日数が短くなったり、回復までの期間が短くなったりというような、さまざまな成果が出ているそうです。

ばい菌が起こすケースとして

・口の中のばい菌が血管に入り血液にのって心臓へ移動し、心臓の弁にその菌が付着し弁が肥大変形し血液が逆流してしまう感染性心内膜炎と呼ばれる心臓病になることもあるそうです。この場合、心臓の手術の前にまず行うのが歯の治療だそうです。

・糖尿病にも歯周病菌が関わっている事が明らかになりつつあります。最近発表された研究では、糖尿病の患者のうち、歯周病を患っている人は血糖値が明らかに高い事が分かり、その原因は、歯周病菌が体内に入ると免疫反応によって作られた物質が血糖値を下げるインスリンの働きを弱めるからだと考えられています。

・認知症の発症は、歯の有無と関係していることが最近の研究で指摘されています。神奈川歯科大学のデータでは、歯を失っている人は20本以上歯が残っている人に比べ、認知症発症リスクが約2倍になるそうです。これは、噛む行為が脳の認知機能を高めるのに関係していることに起因しているとのことです。

・インフルエンザなどの感染症は、よく口腔内の雑菌を介して発症するそうで、口腔内の衛生状態が悪いと感染症にもかかりやすくなるそうです。

肺炎や心臓疾患も、歯周病があると発症リスクが高まり、歯周病菌が唾液を介して肺に流れこんで肺炎になったり、心臓の冠動脈に感染して動脈硬化を引き起こしたりするそうです。

転倒による骨折は、老人によく起こりますが、これには歯の噛み合わせが関係していると言われていて、歯をきちんと噛み締められる人は転倒しそうになっても踏ん張れるために転びにくいそうです。歯を守って正しい噛み合わせを維持することは、転倒・骨折にまでつながっているそうです。
 
 お口の健康は、いろいろなところに関係しているので、“長生き”にも影響を及ぼすそうです。実際に、自分の歯がきちんと機能している人は、そうでない人に比べて死亡率が低いというデータもあるそうです。口腔ケアは、全身の健康維持のために大きな役割を担っているので、私たちがこのことをしっかり理解して家族の健康を守りたいものです。