2019年1月31日木曜日

学校通信『かがやけ』2月号


~ 横山小学校『玄関の書画』について ~


【玄関に入って正面に飾ってあります】

 


 

くんしは  もとをつとむ   もとたちて みちしょうず
君子は本を務む、本立ちて道生ず  

 

論語の中にある言葉で、『立派な人・素晴らしい人は、根本的なもの

・本質的なものを大切にする。』という内容で、それに目を向けて

人生を歩んでいれば自ずと進むべき道、正しい道が分かってくるという

意味だそうです。


ちなみに、この書画の左横には明治33年3月10日と彫られています。

西暦1900年で、今から119年前に作られたということです。

さて、この書画の内容に沿った例え話があります。

 その昔、1人の老人が歩いているとレンガを積んでいる3人の若者に出会います。
 そこで老人は尋ねました。
「何をしておられるのですか?」
 その3人は次のように答えました。
           Aさん・・・・「私はレンガを積んでいます。」
           Bさん・・・・「教会をつくっているのです。」
           Cさん・・・・「近くに住む人達の憩いの場となる

教会をつくっているのです。」

 3人の答えは、
  Aさんの言葉は、レンガを積むという行動を
  Bさんの言葉は、その先にある教会という目標を
  Cさんの言葉は、そして人々の憩いの場という最終的な目的を
 それぞれ、言い表しています。

もちろん、Cさんのように、最終目標を意識してレンガを積むことが望ましいことになります。

  本(もと)とは、行動や目標の先にある目的のことです。
  枝葉末節ではなく幹や根。
  手段・手法ではなく理念・方針。
  起きた問題や出来事ではなく、根本原因。
  応急処置ではなく恒久的な問題解決。
 

 さて、この書画はどういう願いで掛けられたのでしょうか?西暦1894年には日清戦争が起こり、西暦1904年には日露戦争が起こっています。

 おそらく、日本は富国強兵で周りの大国と争い主導権をどんどん獲得していく過程かと思います。多くの庶民は、目先の勝利には拍手を送っていますが、内心は将来への不安が大きくなっていたのでは・・・・

 そのような時代に掛けられたと思うと、非常に感慨深く本質的な、また、根本的なことを大切にしていかないといけないなと思います。